【2月3日 AFP】2日に行われたサッカーのスコティッシュ・プレミアシップ第22節で宿敵グラスゴー・レンジャーズ(Glasgow Rangers)との大一番を3-0で制し、首位に浮上したセルティック(Celtic)。同チームには今、試合を見ようと夜明け前に起きる大勢の日本人ファンが新たにいる。

 セルティックは昨年12月、日本代表FW古橋亨梧(Kyogo Furuhashi)の2得点でリーグカップ(Scottish League Cup 2021-22)決勝を制し、すでに今季最初のタイトルを手にした。

 Jリーグ1部(J1)のヴィッセル神戸(Vissel Kobe)から加入し、ここまで26試合で16得点を挙げている古橋はすぐさまクラブのヒーローになり、セルティックを再び極東のマーケットに参入させた。

 セルティックは昨年の大みそか、旗手怜央(Reo Hatate)、井手口陽介(Yosuke Ideguchi)、前田大然(Daizen Maeda)という日本人選手3人の獲得を発表し、ファンは一足先に新年の祝賀ムードを味わうことになった。

 旗手は2日のレンジャーズ戦で2ゴール、1アシストの大活躍を見せ、チームを首位浮上に導いた。前田も、セルティックが勝利したハイバーニアン(Hibernian)戦でゴールを決めるなど、すでにインパクトを残している。

 セルティックのアンジェ・ポステコグルー(Ange Postecoglou)監督は、3年半にわたりJ1の横浜F・マリノス(Yokohama F Marinos)を指揮した経験があり、日本のマーケットに精通している。

 日本サッカーに詳しいショーン・キャロル(Sean Carroll)氏は「ポステコグルー監督がセルティックにいなければ、今回の移籍は実現しなかっただろう」とAFPに語った。

 ポステコグルー監督の判断は、破格の移籍金と日本でのビジネスチャンスを最大限活用したいと考えているフロント陣にも支持されている。

 前田のローン契約に含まれる買い取りオプションを行使したとしても、セルティックが日本人カルテットを獲得するのにかかった額は1000万ポンド(約15億5000万円)よりも少なくなる。

 英字紙ジャパンタイムズ(Japan Times)のスポーツライターであるダン・オロウィッツ(Dan Orlowitz)氏は「前田と旗手の移籍金に目を向けると、セルティックは言葉では言い表せないレベルの強奪をした」と話す。

 キャロル氏もまた「自分たちの選手を欧州に送り出すことに、日本のクラブはいまだ一種の誇りを持っている」と指摘している。