【2月13日 AFP】米首都ワシントンでLGBT(性的少数者)の人々が集うバーを経営するデーブ・ペルーザ(Dave Perruzza)さん(43)には、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)の初期から既視感があった。

「エイズ(AIDS、後天性免疫不全症候群)が広がり始めた頃と同じじゃないかと。あの時も、誰も真剣に受け止めていませんでした」と話す。「それで、『これは本気で取り組まなきゃだめだ』と私たちは思ったのです」

 LGBTコミュニティーの年配者の中には、1980年代にエイズが流行した時の経験から、新型コロナの流行に先手を打つことができたと言う人もいる。

 ペルーザさんは昨年7月から、自身が経営するゲイバーと隣のレズビアンバーの来店客に、新型コロナワクチンの接種証明の提示を求めてきた。地元の自治体が同様の措置を導入するより数か月早かった。

「私は、エイズで亡くなった人を目にした最後の世代に入ると思います」。最初の交際相手をエイズで亡くしているペルーザさんは、「歴史が繰り返すのを見たくありません」と語る。

 1981年に米国で初のエイズ患者が確認されて以降、エイズ危機は20年にわたって米国で猛威を振るい、今なお死者が出ている。当初多かった感染者は、同性愛者の男性やバイセクシャルの男性、アフリカ系やヒスパニック系の男性、そしてトランスジェンダーの女性だった。

 当時のロナルド・レーガン(Ronald Reagan)大統領がエイズ研究をようやく政府の優先事項に掲げたのは1985年。治療法が初めて開発されたのは1987年だった。政府の統計によると、エイズによる米国の死者は2000年末までに少なくとも45万人に上った。