【2月1日 AFP】北京冬季五輪を開催する中国が、大会期間中に同国に批判的な内容の発言があった場合は「処罰」する可能性があると警告したことを受け、米議会の中国問題執行委員会(CECC)は1月31日、同大会におけるアスリートの安全に関して警鐘を鳴らした。

 米議員グループおよびホワイトハウス(White House)の関係者で構成されるCECCは、米国オリンピック・パラリンピック委員会(USOPC)に対して、2月4日から20日まで開催される北京大会で自国選手の言論の自由を守るべく「緊急の努力」を求めた。

 北京の大会組織委員会は1月18日にオンラインで行われた説明会で「五輪精神に反するもの、とりわけ中国の法律や規則に違反する行動や発言は、特定の処罰の対象となる」と述べていた。

 今大会で米国アスリートが政治的な主張を行うことに関し、ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領が支持するかどうか聞かれると、ジェン・サキ(Jen Psaki)大統領報道官は報道陣に対して、同政権が「個々の言論の自由を支持すると通達」したことを明らかにしている。

 またCECCは、中国の前副首相に性行為を強制されたと訴えた同国女子テニスのスター選手である彭帥(Peng Shuai)の問題についても懸念を表明。同選手については、現在どれほどの自由が守られているのか心配されている。

 米ニューヨークに拠点を置く国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)は前週、アジアの大国である中国に「検閲の金メダル」を与え、「これまでの計り知れない人権侵害」から目をそむけさせる「スポーツウオッシング」をもくろんでいると批判した。(c)AFP