【1月27日 AFP】国際オリンピック委員会(IOC)は27日、中国前副首相による性的暴行を告発した後に一時行方不明になった女子テニスの彭帥(Peng Shuai、中国)と再び対話したと明かした。来月開幕する北京冬季五輪の期間中にも面会する予定だとしている。

 女子ダブルス元世界1位の彭は昨年11月、中国の張高麗(Zhang Gaoli)前副首相に性行為を強制される関係が数年にわたって断続的に続いたとSNSで告発して以来、世界中の注目を集めている。

 中国側は彭の告発をすぐさま検閲し、インターネット上から削除。その後、彭は約3週間にわたり公の場に姿を見せなかった。

 広報を通じてAFPにコメントしたIOCは、昨年11月に行われた最初のテレビ電話から「(彭と)連絡を取り続けており、何度か会話の場を持った」とした上で、直近では「つい先週」にコンタクトを取ったと明かした。

 また、彭は「来る2022年北京冬季五輪を楽しみにしており、各競技や同胞の中国人オリンピアンに注目するつもりだ」とIOCに話し、大会期間中にIOCのトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長や、アスリート委員会の委員長を務めるエンマ・テルホ(Emma Terho)氏に会うのが「楽しみ」だと繰り返したという。

 バッハ会長は昨年11月に彭とテレビ電話をし、IOCは同選手について「元気で無事」だと発表した。だがこれについては、北京冬季五輪の開催国である中国を守ろうとしているという批判がバッハ会長に集まった。

 北京に滞在中のバッハ会長は今週、中国の習近平(Xi Jinping)国家主席と面会した。彭の告発について中国政府は直接言及していないが、「スポーツの政治化」には反対だと述べている。(c)AFP