中国の「安定成長」への注力は、いかに世界に影響を及ぼすのか?
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【2月2日 東方新報】中国政府はこのほど、2021年の中国の国内総生産(GDP)が110兆元(約1994兆円)の大台を突破し、8.1%増の114兆元(約2066兆円)に達したと発表した。しかし、成長率は前期が高く、後期が低く、第4四半期には4%まで低下し、2020年第2四半期以来の最低値となり、注目を集めている。
2021年度の経済データが発表されたのと同じ日に、中国人民銀行(People's Bank of China、中央銀行)は利下げを実施した。これまでのデータによると、中国の広義の通貨供給量(M2)の増分は従来の8%から9%に引き上げられ、金利とマネーサプライが共にプラスに転じており、中国の新たな反循環政策が全面的にスタートしたことを示している。この政策の重点は消費を押し上げ、投資を引き上げ、通貨による刺激を強化し市場環境を活性化させ、消費を刺激することだ。財政投入と地方インフラ建設への投資を前面に出し、企業の投資意欲の不足による投資縮小に対応する。つまり、「企業が投資しなければ、政府が投資する」ということだ。
中国の経済政策の重点が「安定成長」に転じたことは、世界経済に深い影響を及ぼすだろう。中国の1月の利下げは、通貨刺激効果を早めに顕在化させ、春節(旧正月、Lunar New Year)シーズンのうちに消費増加をけん引すると同時に、米国の利上げをずらし、通貨環境の大きな変動を避けることができる。
世界経済の複線的な回復により、各国の経済の差が大きくなった。経済秩序が最も早く回復した中国は、前回の刺激策の効果が減退し、利下げのサイクルに入った。米国などはインフレに悩まされ、利上げを急ぐことを余儀なくされた。先進国は利上げをしたり、量的緩和の度合いを弱めたりしており、新興市場国はより大きな経済圧力を受け、世界経済の回復への障害がますます大きくなっている。中国の利下げは国内の経済環境を改善するのみならず、消費と企業の投資を促進し、それにより輸入を促進し、企業の海外進出を後押しし、世界経済に活力をもたらすことができる。
輸出は中国の昨年の経済成長を支える主要な原動力の源だ。オミクロンの感染拡大は外部需要の減少をもたらし、欧米などの経済体が徐々に回復すれば、輸出代替効果も弱くなるだろう。中国の今年の輸出状況は昨年よりはるかに悪化する可能性が高く、これも中国経済の主要な変数となっている。輸出環境の変化は中国にとって良い面があれば、悪い面もある。欧州、米国、日本、東南アジアなどの経済体の製造業の回復は輸入需要を押し下げる可能性があるが、サプライチェーンの安定回復にも役立つ。中国は対外貿易サプライチェーンの安定を重点経済目標の一つと位置づけている。このような政策調整は地域的な包括的経済連携(RCEP)協定と共同で推進することで、中国の輸入成長の原動力を刺激し、国内外企業の産業連携の深化を後押しし、中国と周辺国の産業協力やサプライチェーンの統合を促進することができる。
今年、中国はビジネス環境の向上などの関連改革を引き続き推進し、対外貿易を安定させ、産業構造を改善することで、新興産業などの外資企業が中国で協力するチャンスを獲得できるようになる。予測によると、中国は第2四半期から苦境から抜け出す可能性があるという。経済成長率の回復と刺激策の効果が徐々に顕在化するにつれ、中国国内消費の伸びも正常レベルに戻り、外商投資と中国市場の開拓に有利な環境ができ、世界経済の成長に対してもより大きなけん引効果を発揮するだろう。(c)東方新報/AFPBB News