【1月29日 AFP】香港大学(HKU)は29日、構内に大きく書かれていた1989年の天安門(Tiananmen)事件の犠牲者を追悼するスローガンを金属板で覆い隠した。

 AFPの記者は、「冷血に斬殺された殉教者の英雄的精神は永遠に生き続ける、悪に打ち勝つ民主主義の炎が消されることは決してない」と書かれたスローガンを、建設作業員が覆う様子を目撃。

 現地メディアによると、スローガンは事件直後に香港大の学生が書いたもので、塗り替えられながら30年以上にわたって構内に残されていた。

 大学側は、スローガンの文字が永久に消去されるのかというAFPの質問に応じなかった。

 中国当局は学校で「愛国心」を育成することが必要であると強調しており、国家安全維持法(国安法)では天安門事件の犠牲者への追悼も含め、当局に異議を唱えることは事実上有罪となる。

 香港大は先月、天安門事件で軍に殺害された人々を追悼する記念像を構内から撤去している。(c)AFP