【1月28日 東方新報】2月4日開幕の北京五輪まであと少し。各競技の見どころについて中国メディアの報道が増える中、特に注目度が高いのがフィギュアスケート男子の羽生結弦(Yuzuru Hanyu)選手だ。中国でも大人気の羽生選手と、米国代表の中国系米国人ネイサン・チェン(Nathan Chen)選手との一騎打ちになると報じている。 

 フィギュア男子でアジア人初の五輪金メダリストに輝いた羽生選手は中国で「東洋の誇り」と称賛され、「フィギュアスケートと聞けば、多くの人が羽生結弦を思い浮かべる」(中国メディア)と言われるほど。その華麗な演技や甘いマスク、礼儀正しさから、特に女性の間で絶大な人気を誇る。

 独自報道で定評のある北京の新聞「新京報(Beijing News)」は「陳巍(Chen Wei、チェン選手の中国名)が羽生結弦に挑戦」という見出しで長文の記事を掲載。「チェンは前回の平昌冬季五輪ではショートプログラムでミスをし、フリーで挽回を図ったが羽生を追い抜くことはできなかった」と2人の関係を振り返り、「チェンは今月の全米選手権で優勝し、脅威の6連覇を達成した。羽生は昨年12月の全日本選手権で4回転アクセル(4A)は成功しなかったものの、優勝を果たした。この2人が金メダルを争うことになる」と論評している。

 国際専門紙「環球時報(Global Times)」は羽生選手を「氷上のプリンス」と紹介。平昌大会で平安時代の陰陽師(おんみょうじ)をイメージして優美に演じた羽生選手の写真を掲載し、「五輪3連覇という偉業に向けてチェン選手と直接対決を迎える」とした。

 中国初のフィギュア女子世界チャンピオンで北京冬季五輪組織委員会選手委員の陳露(Chen Lou)さんはインタビューで「羽生選手は技術面と表現力で完成の域に入っている。技術的な難度の高さで言えばチェン選手が優れているが、羽生選手には敬服すべき不屈の精神がある」と称賛。「年齢的には名誉とともに引退することもできたが、彼は継続を選んだ。『より高く、より速く、より強く』という五輪精神をまさに体現している」と語っている。

 羽生選手の熱烈ファンの女性たちは「母国で羽生君の五輪の演技が見られるなんて幸せ」「羽生選手もチェン選手もとにかく頑張ってほしい」「結弦君の4Aが見たいけど、けがだけはしないで」とインターネットでさまざまな書き込みをしながら、五輪開幕を待ち望んでいる。(c)東方新報/AFPBB News