【1月29日 CNS】「聖火を点火する方法や聖火台は、大胆な設計と変革を施す。五輪の歴史で一度も見たことがないものになる」。北京冬季五輪開閉会式を指揮する張芸謀(Zhang Yimou、チャン・イーモウ)監督は、世界の期待と好奇心を集めている。2月4日の開会式に向けて準備は最終段階に入っている。

 中国映画界の巨匠・張監督は2008年北京夏季五輪の開閉会式を指揮しており、五輪史上初の「ダブルオリンピック」の総監督になった。

 五輪の開会式がどのように行われるかは毎回、世界の注目の的となる。昨年の東京五輪はパフォーマンスの時間も出演者も少なくしたが、大会の競技をピクトグラムで表現した演出は世界で称賛された。

 コロナ禍が続く中、北京冬季五輪もパフォーマンスの時間と出演者を縮小し、「簡素、安全かつ精彩」を原則とする。「人海戦術」は用いず、パフォーマンスと式典を融合し、技術革新や低炭素社会・環境保護とスポーツ・健康の概念を取り入れることで世界の明るい未来を提示する。

 張監督によると、2008年の北京五輪開会式は4時間以上続いたが、今回は100分に抑える。出演者も2008年の1万5000人に対し、今回は3000人にとどめる。簡素にすると同時に、新型コロナウイルスの予防も目的としている。

 張監督はインタビューで「簡素とは、ただシンプルにするという意味ではない」と説明。「開会式では、簡素なモダンアートのスタイルで氷と雪のロマンを伝える。リハーサルは順調に進んでいる」と話す。

 開会式の最大のイベントは、聖火の点火式だ。2008年北京五輪では、中国の元体操選手で国民的人気を誇る李寧(Li Ning)氏が空中を走りながら点火した演出が世界にインパクトを与えた。張監督は「今回の仕事を引き受けてから私が常に考えているのは、点火方法と聖火台をいかに変革できるかということ。100年余の五輪史上、見たことがないものにする」と強調。低炭素社会と環境保護の理念を反映するとしており、「観客は点火方法を見て驚くと同時に、コンセプトは一目で理解できるだろう」と話している。

 中国メディアによると、張監督は開会式に「春」の要素を取り入れる。開会式の2月4日は中国伝統の二十四節気の一つ、「立春」にあたる。コロナ禍において五輪を開催することで、厳冬に耐えて春を迎えるように、すべての人が未来への期待を抱くメッセージを送る。(c)CNS/JCM/AFPBB News