【1月27日 AFP】北京冬季五輪のリュージュ会場で練習中に大けがをし、五輪出場が危ぶまれたポーランドの選手が、心身に傷を負いつつも本番の舞台に立つことになった。

 マテウシュ・ソホウィチュ(Mateusz Sochowicz)は、昨年11月に北京五輪の本番のコースで閉じられたゲートに激突。右脚から骨が突き出し、左の膝蓋骨(しつがいこつ)を骨折して病院に搬送された。

 事故後には、命を落としていた可能性もあったと指摘し、その場にいたスタッフが「役立たず」だったと怒りをあらわにした。

 2月4日に開幕する大会で現場に戻ってくるソホウィチュだが、事故で五輪への準備は大きく妨げられ、出場するだけでも勝利のようなものだと話す。

「五輪については暗い思いしかなかった」とソホウィチュ。「最初は自分にけがをさせた人たちに大きな恨みがあったが、誰も故意にやったわけではないと割り切った」と明かした。

 手術後はゼロから再開しなければならず、「トレーニングではなく、一から歩行を身につける必要があった。ライバルが調子を上げていく中、自分は徐々に正常な状態に戻していった」。

 五輪には金属のワイヤーとピンで膝を固定して臨む。ソホウィチュは「不可能なことなど何もないと自分自身に証明した」と胸を張った。(c)AFP