マリにロシア人傭兵、米軍が確認
このニュースをシェア
【1月24日 AFP】米軍はこのほど、軍事クーデター後に政情不安が続く西アフリカのマリで、ロシアの民間軍事企業「ワグネル(Wagner)」の傭兵(ようへい)が活動しているのを確認したと明らかにした。マリ暫定政権は、西側諸国との関係が緊張を増す中、ロシア人傭兵の存在を否定している。
米アフリカ軍(AFRICOM)のスティーブン・タウンゼンド(Stephen Townsend)司令官(陸軍大将)は、米政府系放送局ボイス・オブ・アメリカ(VOA)に「ワグネルはマリにいる」「現在、数百人はいると考えている」と述べた。
「ワグネルはマリに展開し、ロシア軍の支援を受けている。ロシア空軍機が彼らを現地へ移送している」とタウンゼント司令官は続け、ロシア政府が関与していると示唆。「これは、われわれにとって大きな懸念だ」と語った。
ロシア政府はかねてワグネルとの直接的なつながりを否定している。
一方、フランスのジャンイブ・ルドリアン(Jean-Yves Le Drian)外相も先週、ワグネルの傭兵がイスラム過激派との戦いを口実にマリ暫定政権を「支援」していると非難。「ロシア軍の退役兵で、ロシア製の武器を持ち、ロシア機で移送されてくる傭兵について、ロシア当局が知らないとしたら驚くべきことだ」と述べていた。
マリでは2020年に軍事クーデターが起きた。クーデター後に発足した暫定政権は当初、民政移管へ向けて今年2月に選挙を実施すると約束していたが、クーデターを主導し暫定副大統領に就任していたアシミ・ゴイタ(Assimi Goita)大佐は昨年5月、暫定政府の大統領と首相を追放し実権を掌握。選挙の実施を最長5年延期すると発表した。
国際社会は当初の選挙日程を守るよう求めており、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)は昨年12月、マリ暫定政権に制裁を科すと決定した。(c)AFP