【1月21日 AFP】第2次世界大戦(World War II)中に消息を絶ち、77年にわたって行方が分からなくなっていたC46輸送機が先月、インド北東部アルナチャルプラデシュ(Arunachal Pradesh)州のヒマラヤ(Himalaya)山脈で見つかった。

 C46は1945年1月初めの週、13人を乗せて中国南部・昆明(Kunming)を出発。アルナチャルプラデシュ州の山岳地帯上空で荒天に見舞われ、行方不明となった。

 C46乗員の息子ビル・シェラー(Bill Scherer)さんの依頼を受けて、米冒険家のクレイトン・クールズ(Clayton Kuhles)さんと、現地の少数民族リス人の山岳ガイドが捜索を実施した。

 捜索は数か月にわたり、クールズさんらは深さが胸まである川を歩いて渡ったり、高地のいてつく寒さの中で野営したりした。クールズさんによると、この地域では2018年9月、季節外れの吹雪に見舞われたリス人の猟師3人が低体温症で死亡し、残る2人が「辛うじて生還」するという事故も起きており、捜索は死と隣り合わせのものとなった。

 しかし、捜索隊は先月、雪山で飛行機の残骸を発見。機体記号(テールナンバー)から捜していたC46と確認できた。残骸の中に遺体はなかった。

 捜索を依頼したシェラーさんはAFPの取材に対し「私に言えるのは、父がどこにいるかを知れただけでうれしくてたまらないということだ。悲しくもありうれしくもある」と電子メールで回答した。

 インド、中国、ミャンマーでは第2次大戦中、多数の米軍機が行方不明となった。旧日本軍に撃墜された機体もあるが、大半は着氷や強風、悪天候などが原因で墜落したとされる。(c)AFP