【4月4日 AFP】第2次世界大戦(World War II)のレイテ沖海戦(Battle of Leyte Gulf)で沈没し、水深約6500メートルに沈む米海軍駆逐艦「ジョンストン(USS Johnston)」の調査に米国の海洋探査チームが成功した。世界で最も深い沈没船の潜水調査となった。

 米テキサス州に拠点を置く海洋技術会社「カラダン・オーシャニック(Caladan Oceanic)」によると、フィリピンのサマール(Samar)島沖で、先月下旬に有人潜水艇による8時間の探査を2回実施し、全長115メートルのジョンストンの動画と写真の撮影、そして調査を行った。

 ジョンストンは1944年10月25日、当時日本軍の占領下にあったフィリピンの解放を目指す米軍が日本軍と戦ったレイテ沖海戦で沈没した。米海軍の記録によれば、乗船していた327人のうち生存者は141人だけだった。

 カラダン・オーシャニックが支援した今回の探査により、艦首と艦橋、そして中央部分が当時の形をほぼそのまま残しており、5インチ砲2門、魚雷架2基、複数の銃架が元の位置に残っていることが分かった。

 探査チームの航海士で、歴史学者のパークス・スティーブンソン(Parks Stephenson)氏は、「(ジョンストンは)史上最大の戦艦である大日本帝国海軍の大和(Yamato)からの攻撃を受け、激しく反撃した」と語った。(c)AFP