【1月19日 AFP】サウジアラビア主導の連合軍は17日夜、イエメンの反政府武装勢力フーシ派(Huthi)が支配する同国の首都サヌアを空爆し、14人が死亡した。医療関係者が18日、明らかにした。フーシ派はこれに先立ち、アラブ首長国連邦(UAE)を攻撃し、地域内での緊張が高まっていた。

 UAEの首都アブダビでは17日、フーシ派が無人機と弾道ミサイルで行った攻撃により、アブダビ国営石油会社(ADNOC)の貯蔵施設付近で燃料タンクが爆発し、3人が死亡。UAEは報復を宣言していた。フーシ派は過去にサウジに対する越境攻撃を繰り返してきたが、UAE国内で死者が出た攻撃で、同国政府が発生を認め、フーシ派も実行を認めたのは初めてだった。

 情勢が不安定な中東の中でも安全な国とされるUAEは、サウジアラビア主導の連合軍に参加し、イランが支援するフーシ派と戦うイエメン政府を支援している。イエメンではこのところ、フーシ派とUAEの訓練を受けた部隊などの間で戦闘が激化。アブダビが攻撃を受けたことで、7年近く続くイエメン内戦は新たな局面を迎えた。

 アブダビへの攻撃などの影響で、原油価格は7年ぶりの高値に急騰。フーシ派は、UAEの住民に重要施設を避けるよう警告している。

 サヌアへの空爆では、2軒の家屋が倒壊。現場では、住民ががれきをかき分けて生存者を捜索した。フーシ派傘下のサバ(Saba)通信によると、同派の空軍学校長官が家族とともに死亡した。サヌアは18日にも連合軍の空爆を受けた。(c)AFP