【1月14日 AFP】「南アフリカの先住民族コイサン(Khoisan)の王」を名乗る男が13日、保釈された。王は首都プレトリアの大統領府前で大麻草を栽培していた先住民族団体のリーダーで、前日に逮捕されたばかり。

 王は、伝統的な下帯と毛皮の頭巾だけを身に着けて法廷に臨んだ。

 保釈金なしで保釈が認められ、審理は3月に持ち越された。王は法廷を出るとすかさず大麻を詰めたパイプに火を付けた。

 王は記者団に対し「われわれ南ア先住民族に対する攻撃だ」「彼らの法律に従うつもりだったが、法律は大麻を吸うわれわれを刑務所に入れるものだった」と語った。

 支持者に囲まれた王は「今こそ先住民族を癒やす時だ」として、政府に対話を求めた。

 さらに「この土地の人間には、この土地の法律が必要だ。先住民族はあまりにも不当な扱いを受けており、復権されなければならない」と訴えた。

 先住民族団体は2018年、コイサン語の公用語化やさまざまな権利を求めて、大統領府前にテントを張って座り込みを開始。芝生を菜園に変えて野菜を栽培していたが、半年前に大麻草を植え、肩の高さまで育てた。

 王は大麻を違法に栽培・売買した罪に問われており、有罪となれば25年以下の禁錮刑を科される。

 南アでは2018年、大麻のプライベートな空間での使用が合法化されたが、公共の場での使用や売買は違法とされている。(c)AFP