【1月12日 AFP】カザフスタンのカシムジョマルト・トカエフ(Kassym-Jomart Tokayev)大統領は11日、異例となるヌルスルタン・ナザルバエフ(Nursultan Nazarbayev)前大統領(81)批判を展開した。

 カザフスタンでは先週、燃料価格高騰に抗議するデモが暴動に発展。混乱状態に陥り、権力闘争が起きている。

 ナザルバエフ氏は2019年に大統領の職を退任した後も、「国家指導者」という憲法上の地位にとどまり、影響力を維持していた。

 トカエフ氏は生中継された議員とのオンライン会議で、ナザルバエフ政権は「国際基準からみても富裕層」を創り出したと批判するなどナザルバエフ氏批判を次々と展開し驚かせた。さらに「国民に敬意を表し、体系的かつ日常的に国民を支援する時が来た」と訴え、「極めて大きな利益を出している企業」に国家資金を納めるよう求める意向を示した。

 カザフスタン国内での暴動の激化を受け、トカエフ氏はロシアが主導する集団安全保障条約機構(CSTO)に支援を要請。ピーク時には2000人以上の兵士が配置された。

 トカエフ氏はCSTOの部隊について「主な任務は完了した」とし、2日以内に段階的に撤退を開始し、10日以内には完全撤退すると述べた。

 だが、ロシアのセルゲイ・ショイグ(Sergei Shoigu)国防相は、部隊の撤退はカザフスタンの状況が「完全に安定」してからになると語った。(c)AFP/Christopher RICKLETON