Q:スモッグは大会に影響する?

A:五輪開催前に悪名高いスモッグを北京の空から取り除くため、当局は国内北部の2500万世帯の石炭ストーブをガスストーブや電気ストーブと交換。また、多数の工場に対し、排気量の上限を超えたとして罰金を科す一方で、北京周辺の製鉄所に生産量を半減するよう指示した。

 生態環境省によると、北京で重度の大気汚染が確認された日は2015年には43日だったが、2020年には10日に減った。それでも、同市の大気汚染は世界保健機関(WHO)の基準値を常に上回っている。

 2015年、国際環境団体グリーンピース(Greenpeace)は2008年の北京五輪の「最大の教訓」として、次のように指摘している。「汚染源となる産業を北京から近隣の省に移動するだけでは、持続的な大気質の改善にはつながらない」

Q:輸送の問題は?

A:国営新華社(Xinhua)通信の報道によれば、大会期間中、選手・役員の移動用には水素を動力源とするバス車両、655台前後が導入される。

 組織委員会は大会で使用される車両について、85%を電気または水素を動力源とすると発表している。

 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)を受け、観客は国内でさらに限定され(観戦チケットを一般販売する計画は中止された)、航空機の二酸化炭素(CO2)排出量は、通常の五輪に比べて少なくなるとみられている。