【1月9日 AFP】サウジアラビアの人権団体「ALQST・フォー・ヒューマンライツ(ALQST for Human Rights)」は8日、首都リヤドで2019年3月から罪状なく拘束されていたバスマ・ビント・サウード(Basmah bint Saud)王女(57)とその娘が解放されたと明らかにした。

 バスマ王女は女性の権利や立憲君主制を支持しているとみられていた。20年4月には、サルマン国王(King Salman)とムハンマド・ビン・サルマン皇太子(Crown Prince Mohammed bin Salman)に対し、健康上の理由から解放を嘆願していた。

 ALQSTはツイッター(Twitter)に、バスマ王女と娘が解放されたと投稿した。

 サウジ当局は、現時点でコメントを出していない。

 王女の家族と近い情報筋によると、王女は19年、治療のためスイスへ渡航する直前に拘束された。王女の病名は公表されていない。

 サルマン皇太子は17年6月に副皇太子から昇格して以来、女性の車の運転解禁や男性親族による女性の「後見人制度」緩和などの改革を主導してきた。だが、サウジ当局は、反体制派や王族を含めた潜在的な反対派を弾圧している。

 AFPが入手した、バスマ王女の家族が20年に国連(UN)に宛てた書簡によると、王女は「権力乱用を公然と批判した」ことが理由で拘束されたとみられる。(c)AFP