【12月30日 AFP】フランスの10歳女児が、副反応への懸念から成人にしか使用を認められていない米モデルナ(Moderna)製の新型コロナウイルスワクチンを誤って接種される出来事があり、両親が当局を相手取り提訴している。当局が29日、明らかにした。

 シリル・ラコンブ(Cyril Lacombe)検事は地元メディアの報道内容を認め、訴状を提出したのは父親だと述べた。

 地域圏保険庁(ARS)とアブランシュ(Avranches)の病院のジョアニー・アロンベール(Joanny Allombert)院長によると、女児は今月22日、北西部アブランシュの接種センターでモデルナ製ワクチンを誤って接種されたが、担当の看護師がすぐに気付いた。

 接種責任医師が両親に事実を知らせ、心筋炎の症状の見分け方を説明した。女児の健康状態に問題はないとされる。

 アロンベール氏はラジオ局フランス・ブルー(France Bleu)に対し、「女児は本来座るはずの待機場所に空きがなかったため、間違った場所に座らされた」と説明した。「これが間違いの元だった」

 フランスなどの複数の国は、心筋炎のリスクがあるとして、子どもへのモデルナ製ワクチンの接種を見合わせている。

 心筋炎はまれに起きる副反応で、高齢者よりも思春期や若年成人に、女性よりも男性に多くの事例が報告されている。このためフランスでは、5~12歳には米ファイザー(Pfizer)製ワクチンを使用することになっている。(c)AFP