「食べていくには仕方ない」 コカ栽培のための違法伐採 コロンビア
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【1月24日 AFP】わずか数分で切り倒される樹齢100年の巨木──コカインの原料となるコカの栽培を目的に違法伐採が行われているのだ。
ここはコロンビア南部グアビアレ(Guaviare)県、アマゾン(Amazon)熱帯雨林の中にあるシエラデラマカレナ(Serrania de La Macarena)国立公園。
木を切り倒した男性(40)は顔にスカーフを巻き、匿名を条件にAFPの取材に応じた。一帯では多くの住民にとってコカ栽培が唯一の生きるすべになっていると説明する。
国立公園での樹木伐採は、コカ栽培と同じく違法行為だ。しかし男性は「必要に迫られて」やっており、「そうしなければ、食べていけなくなる」と訴えた。
一方で同国のイバン・ドゥケ(Ivan Duque)大統領政権は、コカの生産量が減少していることを示す国連(UN)のデータを誇示し、代替作物への置き換え事業は奏功していると主張する。
だが、政府による援助はあったとしてもごくわずかで、別の作物の栽培を試みてもうまくいかずにコカ栽培に戻る人も多いという。
「われわれは森を壊している…暮らしていくにはこれしかないのです」と男性は話す。
コロンビアは世界最大のコカイン生産国。最大の消費国は米国だ。(c)AFP/David SALAZAR