【12月23日 AFP】英国で22日、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」に感染した場合の入院リスクは、「デルタ株」に比べて低いとする2件の研究結果が明らかになった。南アフリカで報告された傾向を裏付ける内容だ。

 発表されたのはスコットランドとイングランドのチームが行った予備研究で、いずれも査読前論文。専門家は研究結果を歓迎しつつも慎重な姿勢を示し、軽症という利点がオミクロン株の感染力の強さによって打ち消され、全体として重症例が増加する恐れがあると強調している。

 スコットランドの研究は、11~12月に新型コロナ感染で入院した患者について、デルタ株とオミクロン株の症状を比較。「オミクロン株では、デルタ株と比べて入院リスクが3分の2低下する」と結論付け、ワクチンのブースター接種により症状が実質的に抑制されることも分かったとしている。

 この研究は小規模で、当時60歳未満の入院患者はいなかった。

 一方、インペリアル・カレッジ・ロンドン(Imperial College London)が行ったイングランドの研究では、オミクロン株感染者はデルタ株感染者よりも病院で治療を受ける割合が20~25%低く、1泊以上の入院リスクは40~45%低下するとしている。

 オミクロン株感染者に見られる重症化率の低さは、変異株の特性なのか、それとも過去の感染経験やワクチン接種によって獲得した高い免疫力の影響なのかはまだ分かっていない。(c)AFP