【12月22日 AFP】ワールドアスレティックス(World Athletics、世界陸連)のセバスチャン・コー(Sebastian Coe)会長は21日、「社会活動に積極的な組織」を目指すと話す一方で、人権侵害を理由に中国での大会開催を中止する意味はないと強調した。

 年末の定例会見に臨んだコー会長は、「気候変動や人権など、選手にとっても重要で大きな課題を、選手や陸上競技とつなげること」に集中しているとし、「社会活動に積極的な組織」を目指していると語った。

 しかし、来シーズンのダイヤモンドリーグ(Diamond League 2022)の日程に上海大会だけでなく深セン(Shenzhen)大会も加わった中で、コー会長は中国での大会開催を問題視する理由はないと話した。中国をめぐっては、女子テニス選手の彭帥(Peng Shuai)に関する問題が波紋を呼んでいる。

 コー会長は「世界各地で競技を行えることを喜んでいる。中国は陸上界で強固な歴史を築き、今も力を持っている」と話し、「人権問題にしろ、持続可能性にしろ、われわれは明確かつ強力な原則を定めている」と主張。その上で「冷静に判断して、スポーツ的なボイコットには反対だ」と立場を示した。

「私自身も経験があるが、ボイコットというやり方ではそもそもの目的を達成できないことが多い」

「われわれはすべてのアスリートを気にかけているが、対話を試みる方が、はしごを外すよりもいい。そうしたやり方をしているところはどこにもない」 (c)AFP