【7月27日 AFP】ワールドアスレティックス(World Athletics、世界陸連)のセバスチャン・コー(Sebastian Coe)会長は27日、米国女子短距離のシャカリ・リチャードソン(Sha'Carri Richardson)が大麻陽性で東京五輪出場禁止になったことを受け、大麻の禁止薬物リスト入りについて見直す考えを支持した。

 来日中のコー会長は各通信社の記者に対し、大麻が世界反ドーピング機関(WADA)の禁止薬物リストに載ったままであるべきかどうか考察することは「理解できる」とコメントした。

 米陸上界の新星リチャードソンは、今季序盤に100メートルで好記録を連発して五輪の顔の一人になることが期待されていた。

 しかし21歳の同選手は、6月に米オレゴン州で開催された全米選手権(2021 USATF Outdoor Championships)で100メートルを制した後の薬物検査で大麻に陽性反応を示し、30日間の資格停止となったため五輪から除外されることとなった。  

 これを機に大麻がWADAの禁止薬物リストに入っていることについて議論が起こり、著名人やアスリート仲間が時代遅れで不必要な規制だと声を上げた。

 大麻の立ち位置再考を求める声に同意したコー会長は、「再検討は無理ではないと思う。理解できる。不変なものは何もない。適応し、場合によっては再評価しなければならない」と話した。

 コー会長は、この件は世界陸連の独立不正防止機関「アスレチックス・インテグリティ・ユニット(AIU)」がWADA、そしてその他の反ドーピング機関と共に検討すると話した。(c)AFP/Rob Woollard