【12月21日 AFP】中米グアテマラで先週末、先住民族の村々の間での土地をめぐる争いが衝突に発展し、子ども4人を含む13人が死亡した。犠牲者の家族は20日、幹線道路にひつぎを並べて道をふさぎ、対立を終わらせるよう政府に介入を訴えた。

 衝突したのは、メキシコとの国境近くに位置するマヤ(Maya)系先住民族キチェ(K'iche)の村、ナワラ(Nahuala)とサンタカタリナイスタワカン(Santa Catarina Ixtahaucan)。二つの村は、森や水などの資源をめぐり長年争っていた。

 首都圏に続く幹線道路には、7人の犠牲者の顔写真が付けられたひつぎが並べられた。民族衣装を着た女性が涙を流す場面も見られた。家族らは政府に対し、対立を終わらせるよう訴えた。

 父親が殺害されたある男性(30)はAFPに対し「私たちにできることはすべてを神の手に委ねることだ。復讐(ふくしゅう)は神にある」と述べた。

 検察官ホルダン・ロダス(Jordan Rodas)氏によると、サンタカタリナイスタワカンの複数の家族が17日午後、トウモロコシの収穫に行ったところ、男の武装集団に突然襲われ、殺された。男らは家族が乗ってきたトラックの中で遺体を燃やした。5~16歳の子ども4人の遺体はマチェーテ(なた)で切り刻まれていたという。

 これをきっかけに発生した衝突は18日まで続いた。警察官1人が死亡、2人が負傷した。

 当局によると、19日にはM16ライフルで武装した20代の男3人が逮捕された。警察は3人は二つの村のいずれかの出身だとしている。

 統計によると、グアテマラの人口約1700万人のうち40%以上が先住民で、その多くが貧困状態にある。(c)AFP/Henry MORALES ARANA