【12月17日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)に参戦するメルセデスAMG(Mercedes AMG)は16日、レッドブル(Red Bull)のマックス・フェルスタッペン(Max Verstappen)が年間タイトルを獲得した最終第22戦アブダビGP(Abu Dhabi Grand Prix 2021)に関する異議申し立ての意向を撤回した。その理由はチームのエースドライバーであるルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)が、論争を呼んだ今回の結末を「いつまでも乗り越えられない」ことになるためと説明した。

 メルセデスのチーム代表を務めるトト・ヴォルフ(Toto Wolff)氏は、ハミルトンがアブダビGPで前人未到の通算8回目となる世界タイトル獲得を「奪われた」との認識を示しているが、国際自動車連盟(FIA)が同レースの「詳細な分析」を実施する決定を受け、不服申し立てには踏み切らないと明らかにした。

 ハミルトンはF1の歴史的偉業を目指して来季も戻ってくるという意思表示を行っていないものの、ヴォルフ氏は「レーサーとして、彼の心は競技を続行する必要があると言うだろう。なぜなら、彼が絶頂にあるからだ」と述べた。

 ヴォルフ氏はまた、この日夜に仏パリで開かれたFIAの年間表彰式についても「ルイスへの忠誠心と自分自身の高潔性のために、いくつもりはない」と話し、ハミルトンとともに式典の夕食会をボイコットした。

 アブダビGPでの出来事に怒りをあらわにしたメルセデスは、レース直後に行った2件の抗議がスチュワードに却下され、その決定に異議を申し立てる意向を示していた。手続きはこの日の夜までに行う必要があったが、代わりにこの問題に終止符を打つことを表明する長い文書を発表した。

 決断の理由についてメルセデスは、今後のレースシナリオを明確化するべくFIAと「建設的な対話」ができたためと説明し、「アブダビGPで起きたことを徹底的に分析し、F1のルール、ガバナンス、意思決定の強固さを改善するための委員会を設置するとのFIAの決定を歓迎する」とつづった。

 さらには「チームとドライバーへの参加呼び掛けも歓迎する」とし、「メルセデスAGMペトロナスは、われわれと同様にこのスポーツを愛している全てのチームとファンのために、より良いF1を構築するべく、この委員会と積極的に仕事をしていく。このプロセスの責任はFIAに負わせ、われわれは申し立ての意向を取り下げる」と述べた。(c)AFP/John WEAVER