【12月16日 AFP】国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団(RSF)」は16日、世界各地で現在拘束されている報道関係者は488人に上り、1995年の集計開始以降で最多を記録したとする年次報告書を発表した。

 対照的に、今年これまでに死亡した記者は46人で、最少となった。中東情勢が比較的安定していたことが背景にある。

 RSFによると、拘束されている報道関係者の人数は前年比で約20%増加した。ミャンマー、ベラルーシ、香港でのメディア弾圧が大きな理由だとしている。また、拘束下にある女性記者は過去最多の60人で、前年比約30%増だった。

 拘束されている報道関係者の人数が最も多いのは中国(127人)で、香港に導入された国家安全維持法(国安法)によってさまざまな民主主義的自由が損なわれた影響が大きい。次いで、ミャンマー(53人)、ベトナム(43人)、ベラルーシ(32人)、サウジアラビア(31人)となっている。

 死者数は2016年をピークに減少しているが、これはシリア、イラク、イエメンの情勢が変わり、現地に赴くジャーナリストが減ったことを反映している。

 今年死亡した46人の多くは、暗殺の被害者だった。報告書は「65%は意図的に標的とされて消された」としている。(c)AFP