【12月14日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)の新世界王者になったレッドブル(Red Bull)のマックス・フェルスタッペン(Max Verstappen)は13日、最終第22戦アブダビGP(Abu Dhabi Grand Prix 2021)をめぐる論争が劇的勝利の喜びを台無しにすることは「全くない」とし、メルセデスAMG(Mercedes AMG)のライバル、ルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)とスリリングなシーズンを繰り広げたことに感謝した。

 オランダ人ドライバーのフェルスタッペンは、「総じてあり得ないシーズンだった。あの信じられないような最後のレースだって、描くことは根本的に無理だったはずだ」と振り返り、「あのレースは、シーズン全体をざっくり総括していた。とてもタフなシーズンだった。ご覧の通り最後のレースまで何でも起こり得たからね。だから、『よし、これで決まりだ。自分がチャンピオンだ』なんて決して考えないようにしていたし、自分にそう言い聞かせたことなど一度もなかった」と明かした。

「それで当然のことながら、あの最終ラップのターン9を過ぎたときは、『よし、今だ』と思った」

 アブダビGPのレース展開では、ハミルトンが通算8回目のタイトル獲得を果たすと思われたが、フェルスタッペンが終盤のクラッシュで導入されたセーフティーカーの撤収に乗じて最終ラップで大逆転勝利を飾り、年間タイトルを奪取。メルセデスはレース後、結果に抗議した。

 フェルスタッペンは、「たくさんのことを犠牲にし、懸命に努力し、信じることが必要だ」と強調し、「これを何年も積み重ねてきた結果であり、チームの努力のたまものだ。少し時間はかかったけれど、今ここにたどり着いた」と喜んだ。

 表彰台でハミルトンから祝福を受けた際には、激動のシーズンを戦ったライバルに対する「感謝」の気持ちがあったという。

 フェルスタッペンは、「彼はすでに7度も(世界制覇を)達成しているから、少し違うと思う」と話し、「自分は一度も勝ったことがなかった。彼は悔しいだろうけれど、これまで7回もタイトルを手にしているから大丈夫だと思う。もちろん、どちらも勝利を目指しているけれど、互いに大いにリスペクトしている。今シーズンのことは、とても感謝している」と語った。 (c)AFP