【12月9日 AFP】中国の薬事当局は、同国初となる新型コロナウイルス感染症に特化した治療薬の緊急使用を承認した。臨床試験(治験)では、重症化リスクが高い患者の入院率と死亡率が大幅に低減されたという。

 国家薬品監督管理局(NMPA)は8日付の通達で、モノクローナル抗体治療薬を「緊急承認」したと発表した。

 モノクローナル抗体はタンパク質の一種で、新型ウイルスのスパイクタンパク質に結合し、ウイルスが細胞内に侵入する能力を弱める。

 同局によると、今回承認された治療では、2種類の薬を注射で投与する。重症化の恐れがある症例に対して使用できる。

 この治療薬は、清華大学(Tsinghua University)、深セン市第三人民医院(Third People's Hospital of Shenzhen)、騰盛博薬生物科技(ブリー・バイオサイエンシズ、Brii Biosciences)が共同で開発した。

 清華大学が8日夜にソーシャルメディアに投稿した発表によると、この治療で重症化リスクが高い患者の入院率や死亡率が約8割低減されたことが、治験データで示されたという。

 中国は、複数の国産ワクチンも条件付きで承認している。ただし、公表されている有効性は、他国で開発されたワクチンと比較すると低くなっている。(c)AFP