【12月8日 AFP】今週末に行われる21F1最終戦アブダビGP(Abu Dhabi Grand Prix 2021)では、メルセデスAMG(Mercedes AMG)のルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)とレッドブル(Red Bull)のマックス・フェルスタッペン(Max Verstappen)のタイトル争いが話題をさらうとみられるが、一方でこの大会は、一人の元世界王者にとってのF1最後のレースでもある。

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 2001年のオーストラリアGP(Australian Grand Prix)で、ザウバー(Sauber)のドライバーとしてF1デビューを飾ってから20年、アルファロメオ(Alfa Romeo Racing)のキミ・ライコネン(Kimi Raikkonen)にとって、アブダビGPは自身349戦目にして最後のレースになる。

 それでも本人は、「(過去を変えられるとしても)何一つ変えない」と話し、引退に後悔はまったくないと口にしている。

 2007年に年間王者に輝いたライコネンはAFPのインタビューで、「F1には多くの時間を取られるが、自分にとって人生の中心だったことは一度もない」と話し、「自分の人生は常にF1の外にあった。自分にはF1よりも大切なことがある。今は自分の予定に家族全員が左右される生活だから、何も予定がなく、好きなことをできる日が来るのを楽しみにしている」と続けた。

 ライコネンは以前からわが道を行くタイプだった。「アイスマン」と呼ばれたライコネンは、その異名の一つの由来となった、記者との受け答えの素っ気なさについて、「頭の中でそういう思考をしているんだ。それをそのまま伝えているだけだ」と言う。

 自分なりのやり方を貫いてきた現役生活では、他人の意見に耳を貸さないこともあったと認め、「たくさんアドバイスをもらったと思うが、聞く耳を持たなかった。私はいつも、自分の人生は他人にとってではなく、自分自身にとって一番いい生き方をしなければならないと感じてきた」と語っている。

「仕事で言えば、他に選択肢があった場合、ほとんど言われたようにはしてこなかった。生き方や人生というのは自分のためにあるものだ。誰かの望むように生きようとしたら、1年か2年続けた末にあまりいい結末を迎えないということにもなりかねない」

「自分流の生き方をしてきたことに満足している。いいことも悪いことも受け入れられる。自分で決めた結果だからだ」

「(過去を変えられるとしても)何一つ変えない」 (c)AFP