【12月6日 AFP】中国の彭帥(Peng Shuai、35)の安否についての懸念をめぐり、女子テニス協会(WTA)が同国での大会を中止したことを受け、国際テニス連盟(ITF)は5日、「10億人の人を罰したくはない」と述べ、同様の措置は取らない意向を示した。

 女子ツアーを統括するWTAは前週、スティーブ・サイモン(Steve Simon)最高経営責任者(CEO)が彭の安否に「深刻な疑念がある」と話し、理事会の「全面的な支持」を得て中国での大会開催を中止するという、協会にとって大きな経済的損失となる可能性がある判断を下した。

 一方で男子ツアーを管理する男子プロテニス協会(ATP)はWTAに追随せず、そしてこの日、テニス界全体を統括するITFも大会の中止を否定した。

 ITFのデビッド・ハガティ(David Haggerty)会長は、英BBCに対して「テニスの統括団体として、われわれはすべての女性の権利を支持する立場を取る」と表明し、「(彭の)告発は調査の必要があり、われわれも引き続き舞台裏で、また直接的に、解決に向けてはたらきかけていく」と話した上で、次のように語った。

「しかしながら、ITFが世界全体でこのスポーツを統括する団体であり、われわれが責任を持つべき事柄の一つに、草の根のテニスの発展があることを忘れてはならない」

「われわれは10億人の人を罰したくはない。そのため当面は、中国でのジュニア大会、シニア大会を引き続き開催していく」

 彭は中国の前副首相から性的関係を強要されたと告発した後、数週間にわたって消息不明になっていた。(c)AFP