【12月3日 AFP】男子プロテニス協会(ATP)は2日、女子テニス協会(WTA)が中国の彭帥(Peng Shuai、35)の問題をめぐって同国での大会を中止したことに同調せず、「スポーツの国際的な存在感を示すのがインパクトを与える最良のチャンス」だと主張した。

 ATPのアンドレア・ガウデンツィ(Andrea Gaudenzi)会長は、中国共産党の元副首相から性的関係を強要されたと告発してから数週間にわたって消息不明となっている彭の安否を懸念していると認め、「彭帥をめぐる状況は、この競技の内外で深刻な懸念をもたらし続けている」とのコメント文を発表した。

 さらに「このような懸念に対する(中国の)対応は、これまで十分な域に達していない。彭の状況を明確にするべく、当該選手とWTAの直接対話を改めて求める」とし、「われわれはスポーツが社会に前向きな影響を与えることを承知しており、国際的な存在感を示すことが機会を創出し、インパクトを与える最良のチャンスになると信じている」と述べた。

 これに先立ちWTAは1日、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)と全仏オープン(French Open)の女子ダブルスで優勝経験がある彭の安全について、同協会のスティーブ・サイモン(Steve Simon)最高経営責任者(CEO)いわく「深刻な懸念」があるとして、中国での全ての大会を中止すると明らかにした。

 一方、国際テニス連盟(ITF)も2日、彭の無事を心配する姿勢に同調し、「彭の告発内容は対処されるべきである」とのコメント文を発表した。(c)AFP