【12月1日 CGTN Japanese】中国東南部にある福建省(Fujian)竜岩市(Longyan)第一医院の分院で11月28日午前、肝臓移植手術が行われました。今年8歳の小学生、鄧淼淼(Deng Miaomiao)ちゃんの両親は、淼淼ちゃんが脳死後、その肝臓と腎臓を3人の患者に提供して生きる希望を与えることにしました。

「どんなに名残惜しくても、淼淼の命は形を変えて続くので、人生は無駄ではない。淼淼は小さな英雄なんだ……」。母親の肖さんは手術室の外で、娘の生前の写真を見ながらこう語りました。

 淼淼ちゃんは福建省竜岩市上杭県内の小学校に通う3年生でした。今年11月20日、遊びに出かけた際、不幸にも崩れた砂に埋もれてしまいました。救助は困難を極め、時間がかかったことから、医療関係者が手を尽くしたものの容体は好転せず、検査結果は、脳の損傷が深刻で、回復する望みはないというものでした。

 肖さんによりますと、事故が起きてから、家族のもとには多くの人から関心と助けが寄せられました。悲しみが一段落し、家族は話し合いの末に、淼淼ちゃんの臓器を提供することで一致しました。

 淼淼ちゃんの父親は、移植手術が成功したことを知り、「淼淼の命は、臓器提供でまだ続いている。今日は淼淼にとってもレシピエント(移植側患者)にとっても『2回目の命』の始まりだ。レシピエントが淼淼の分まで世界を愛して生きていってほしい」と話しています。

 中国では、人体臓器提供活動が2010年に試験的に始まりました。2021年6月10日時点で、臓器移植のドナー登録者は340万人を超え、国民による死後の臓器提供は3万3000例余り、提供臓器は9万9000個余り、10万人近い臓器不全患者が臓器移植によって延命することができました。中国は現在、臓器提供と移植の数でアジア1位、世界2位です。(c)CGTN Japanese/AFPBB News