【11月28日 CGTN Japanese】中国東部の浙江省(Zhejiang)寧波市(Ningbo)慈善総会に今年も、分厚い書留が届きました。差出人は「順其自然」(日本語で「成り行きまかせ」)となっていて、「寧波市中山路1号」という実在しない住所が送付元として記されています。

 封筒の中には、いつものように送金額105万元(約1892万円)を示す差出人控え107枚が入っていました。この謎めいた人物はこれまで23年連続でこの慈善総会に寄付しており、総額は1363万元(約2億4564万円)に上ります。

 寧波市慈善総会の陳雲金(Chen Yunjin)会長によりますと、「順其自然」氏からの寄付金は毎年11月末から12月初めにかけて届くそうです。その証明として今年送られてきた差出人控えは全部で107枚あり、そのうち9999元(約18万円)の送金を示すものが105枚で、50元(約900円)と55元(約990円)のものがそれぞれ1枚ずつでした。

 中国では送金額が1万元(約18万円)を超えると実名の表記が求められるため、匿名で一度に送れる金額は最大9999元となっています。寧波市慈善総会はこの謎の寄付者を探そうと試みたこともありましたが、匿名希望の意思を考慮して中止しました。

 この23年間、寧波市慈善総会はこの寄付者の意思を尊重し、寄付金を子どもたちの教育支援に使っています。謎の寄付者「順其自然」氏の影響で、寧波市にはますます多くの匿名の寄付者が現れるようになり、これまでに5000万元(約9億円)の寄付金が届いているということです。(c)CGTN Japanese/AFPBB News