【11月26日 CNS】中国の中央全面深化改革委員会は2018年11月、医薬品の品質向上と値下げを目的とした「医薬品集中調達試行計画」を承認し、全国の直轄市4市と副省級市7市で試験的に医薬品の集中調達を行った。「4+7」といわれる計画は3年が経過して中国全土に広がっており、市民が支払う薬代を下げる効果をもたらしている。

 集中調達計画は、企業に最低価格入札で競争させ、入札した企業から医薬品を集中的に調達する仕組み。中国薬学会と中国医療保険研究会が先月3日に北京市で発表した「中国医療保険医薬品管理改革の進展と成果に関する青書」によると、集中調達はこれまで5度にわたり展開。218種類の薬を対象とし、価格は平均54%引き下げられた。対象の薬の価格は国際価格の2〜3倍から同等のレベルに下がった。これにより2021年9月時点で、節約額は累計約2500億元(約4兆5069億円)に達した。

 医薬品の集中調達は高血圧、糖尿病、高脂血症、慢性B型肝炎などの慢性疾患と一般的疾患で使う主な医薬品を対象としている。そのうち21種類の高血圧薬は降圧薬市場の50%以上を占め、年間治療費が300元(約5408円)から60元(約1081円)に削減された。15種類の糖尿病治療薬は経口血糖降下薬市場の60%以上を占めており、平均価格は69%引き下げられた。

 首都医科大学(Capital Medical University)付属北京友誼病院肝臓病センターの賈継東(Jia Jidong)主任は「薬価が下がったことで肝臓病の薬をより選択しやすくなった。診断と治療の精度が向上し、肝硬変や肝臓がんの発生を抑えることにつながっている」と話す。

 医薬問題の実話をもとにした2018年の映画『我不是薬神(邦題:薬の神じゃない!)』は、高額な抗がん剤について社会の注目を集めた。現在、一連の改革により抗がん剤は入手しやすくなってきている。

 内服抗がん剤のゲフィチニブを例にとると、改革前の価格は1錠平均132元(約2379円)で年間治療費は4万7000元(約84万7297円)だったが、改革後は41.8元(約753円)に下がり、年間治療費は69ポイント減の約1万5000元(約27万円)に抑えられた。医療保険の適用後は個人の負担額が約6000元(約10万8165円)にとどまり、負担が大幅に軽減されている。

 青書によると、医療保険薬に占める抗がん剤の割合は2015年第1四半期の7.0%から2021年第1四半期は13.9%に増加している。抗がん剤類の価格が改善されたことで、使用量が大幅に増加している。

 北京大学(Peking University)腫瘍病院医療保険サービス所の冷家驊(Leng Jiahua)所長は「国家医療保険局の設立や医療保険薬品リストの調整メカニズム確立に伴い、がん治療に高額の費用がかかる問題が大幅に改善された」と話す。

 集中調達制度は薬価の値下げと同時に、薬物の品質向上にもつながっている。(c)CNS/JCM/AFPBB News