【7月9日 CNS】中国で最高級の酒と言えば一般的に貴州茅台酒(Kweichow Moutai)と言われるが、「薬の中の茅台酒」と称されるのが漢方薬の「片仔癀(Pien Tze Huang)」だ。店舗価格は1錠3グラムで590元(約1万円)。インターネットでは1錠3000元(約5万1450円)にまで跳ね上がっている。

 中国各地にある「片仔癀」の店舗では毎朝、開店前から行列ができている。一度に購入できるのは1人2錠まで。1錠購入すると3日後まで再度購入できず、2錠購入すると次は5日後となる。それでも開店直後にはあっという間に完売となる。

 インターネット上では多くの業者が1錠900元(約1万5440円)から1600元(約2万7440円)で販売している。さらに、中国版ツイッターの微博(ウェイボー、Weibo)などでは1錠3000元(約5万1450円)で取引されていることもある。

 片仔癀は通常、錠剤を0.6グラムに分け、1日2~3回服用する。片仔癀の店舗では「本当に薬が必要な人のため、値上げはしない」としているが、店舗価格で購入しても0.6グラムは100元(約1715円)近く、相当な高級品だ。

 製造元の「漳州片仔癀薬業」の株価は6月21日段階で1株404.23元(約6930円)に上り、時価総額は2439億元(約4兆1830億円)に達する。

 中央財経大学(Central University of Finance and Economics)の劉春生(Liu Chunsheng)准教授は「片仔癀は原材料が高価なため価格が高くなる。成分の一つの麝香(じゃこう)だけでも総コストの55%を占める。また、片仔癀の製法は国家レベルの最高機密となっている」と説明。今後も片仔癀が「高級ぜいたく品」との地位にとどまるとみている。(c)CNS-中新経緯/JCM/AFPBB News