【11月23日 AFP】米俳優ケヴィン・スペイシー(Kevin Spacey)さん(62)が、セクハラ疑惑を受けて人気ドラマシリーズを降板したことをめぐり、ドラマ制作会社に3100万ドル(約35億円)近い損害賠償金を支払うよう命じられていたことが、22日に公開された裁判関連文書で明らかになった。

 動画配信大手ネットフリックス(Netflix)で配信され、人気を博した「ハウス・オブ・カード 野望の階段(House of Cards)」を制作したメディア・ライツ・キャピタル(MRC)は、ハラスメントと強制わいせつ疑惑を受けてスペイシーさんが急きょ降板したことで生じた損失に対し、損害賠償を求めていた。

 2度のアカデミー賞(Academy Awards)受賞歴を持つスペイシーさんは、同ドラマで5シーズンにわたり悪徳政治家のフランク・アンダーウッド(Frank Underwood)役を演じていたが、複数の同僚に対するセクハラ疑惑などが報じられた後に降板した。

 MRCは、スペイシーさんの突然の降板によって番組の再編が必要になり、「大きな損失」が生じたと主張。シリーズの中心人物であるアンダーウッドが登場しない脚本を書き直したり、第6シーズンのエピソード数を13話から8話に減らしたりする対応に迫られたと訴えていた。

 MRCが裁判を起こしたのは2019年。AFPはスペイシーさんの代理人弁護士にコメントを求めたが、回答は得られていない。(c)AFP