【11月19日 AFP】イングランド・プレミアリーグ、アストン・ビラ(Aston Villa)を率いることになったスティーブン・ジェラード(Steven Gerrard)新監督は、今回の就任は古巣リバプール(Liverpool FC)を率いるための踏み台だとする考えを一蹴した。

 スコティッシュ・プレミアシップ王者のグラスゴー・レンジャーズ(Glasgow Rangers)を率いていたジェラード新監督は前週、退任の合意を済ませた後、プレミアリーグで下位に沈むビラの指揮官に就任した。

 20日のブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFC(Brighton & Hove Albion FC)戦がビラでの初陣となるジェラード新監督は、12月11日のリバプール戦でアンフィールド(Anfield)に感動的な凱旋(がいせん)を果たすことになる。

 2004-05シーズン、キャプテンとしてリバプールを欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)優勝に導き、翌シーズンもFAカップ(FA Cup)制覇を果たすなど、同クラブのレジェンドであるジェラード新監督は、古巣を率いたいという野心を一切隠していない。

 しかしジェラード新監督は、3年半にわたり率いたレンジャーズを離れて今回ビラの指揮官に就任したのは、リバプールを指揮したいという自身の夢に一歩近づくことが動機ではないと断固として主張した。

 18日、ビラの指揮官として初の記者会見に臨んだ新指揮官は、「この就任を踏み台と表現するのはとても不当。そんなこと、私の口からは絶対に出てこない」とコメントした。

「全力を尽くし、成功するために必要なもの全てをこの仕事にささげる」

「プレミアリーグに復帰する機会と、家族の近くに戻れる機会。この二つこそ、私にとって今回の選択が正しかった理由」

「私は100パーセント専心しているし、スタッフもそう。夢や希望を持つことはなんら悪いことじゃない」

 今は古巣と距離を置きたがっているジェラード新監督だが、レンジャーズの前にリバプールのユースチームを率いていた際、一緒に仕事をしていたユルゲン・クロップ(Juergen Klopp)監督とは連絡を取り続けているという。

 ジェラード新監督は「リバプールにはユルゲン・クロップというワールドクラスの監督がいる。もし彼が今すぐ生涯契約を結ぶことになっても、彼とチームのことをとてもうれしく思うだろう」と話した。

「ユルゲンとは最初の日から連絡を取っている。われわれは同じ地区に住んでいて、彼が犬の散歩をしているときに出くわすんだ」

「彼からは、12月11日にひっそりと熱い抱擁を交わすのが楽しみだというメッセージをもらった。私も同じ気持ち」 (c)AFP