サッカー選手のワクチン接種、義務化すべきか ドイツで議論に
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【11月17日 AFP】ドイツで新型コロナウイルス感染の第4波が猛威を振るう中、同国バイエルン(Bavarian)州のマルクス・ゼーダー(Markus Soeder)首相は、サッカーのブンデスリーガでプレーする全選手のワクチン接種を義務化すべきだと訴えている。
ゼーダー首相は独放送局ビルトTV(Bild TV)に「特定の職業集団におけるワクチン接種の義務化に賛成する。それこそ必要としているものだ」とコメント。選手は陰性証明を提示すればいいだけであるのに対し、同州でファンがスタジアムに入場するには接種を完了する必要があると指摘し、「サッカーの分野でもそういったことが議論できれば、ファンと選手との団結を示す良い合図になると思う」と語った。
ドイツでは15日、1週間の新規感染者数が初めて人口10万人当たり300人を超えたが、翌16日には再び数字を更新した。脅威的な新規感染者数は、ワクチン接種率が伸び悩んでいることも影響している。
ブンデスリーガ1部と2部でワクチン接種を完了した選手の割合は約9割で、同国の接種率67.6パーセントをはるかに上回っている。
しかし前月、バイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)に所属するMFヨシュア・キミッヒ(Joshua Kimmich)が「個人的な不安」によりワクチンを打たないことにしたと認めたのを受け、国内ではサッカー選手の接種を義務化すべきかどうかについて議論に火がついた。
キミッヒは前週、ドイツ代表の期間中にクラブでもチームメートのDFニクラス・ズーレ(Niklas Suele)の陽性が確認されたことで、他4選手と共に隔離を強いられた。
バイエルンのオリバー・カーン(Oliver Kahn)最高経営責任者(CEO)は「われわれの選手はワクチン接種を受けるべきだ」と主張し、クラブの立場を明確にしている。クラブの中でワクチンを打たないと決めたのはほんの一握りだが、カーンCEOによればワクチン懐疑がもたらす影響は「ささいではない」ため、未接種の選手たちも「今とても真剣に考えている」という。
これに対し、ケルン(1. FC Cologne)のシュテフェン・バウムガルト(Steffen Baumgart)監督は、国内リーグにおけるワクチンの義務化に警鐘を鳴らしている。
バウムガルト監督は16日、報道陣に対し「誤ったアプローチだ。なぜサッカー選手の接種が義務化されるべきで、人と毎日接するケアワーカーはそうでないのか?」と述べた。(c)AFP