【11月17日 AFP】男子テニスのニック・キリオス(Nick Kyrgios、オーストラリア)が16日、来年1月の全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2022)中止を呼び掛ける自身の発言について、文脈を無視して抜き出されたものだと釈明を試みた。

 気分屋で有名なキリオスは、全豪オープンが開催されるメルボルンが新型コロナウイルスの感染拡大に苦しんできたことを踏まえ、大会を開催するべきではないと発言して波紋を呼んだ。

 メルボルンは計260日以上続いたロックダウン(都市封鎖)が解除されたばかりで、キリオスは再び状況を悪化させるリスクを取るに値しないとの考えを示し、「とにかくメルボルンの人々のために、全豪オープンを開催すべきではないと思う。このメッセージを送る必要がある」と自身のポッドキャスト番組で語った。

 ところがメルボルンのあるビクトリア(Victoria)州のマーティン・パクラ(Martin Pakula)スポーツ相は「論理的ではない」と反論。「われわれが長いロックダウンを敷いてきたから全豪オープンを行うべきではない? 本当にそうなのだろうか。個人的には逆だと考える」と話し、「メルボルンやビクトリア、率直に言ってオーストラリアの全国民が、間違いなく大規模イベントに飢えている」と主張した。

 するとキリオスもすぐにこの意見に反応し、自分の発言は文脈から抜き出して伝えられたと主張した。

「全豪オープンを中止にしてほしいという自分の言葉は、文脈から抜き出されたものだ。どちらかと言えば、地獄を経験して戻ってきたメルボルンの人たちのことを考えるべきだという発言だった」

 来季の四大大会(グランドスラム)初戦である全豪オープンは、来年1月17日に開幕する予定となっている。(c)AFP