【11月16日 AFP】米国は15日、内戦が続くエチオピアに滞在する自国民に対し、直ちに国外退避するよう再度勧告するとともに、アフガニスタンで実施したような軍を投入しての退避作戦は行わないと警告した。

 エチオピアの反政府勢力が首都アディスアベバに進撃する中、米大使館は数日前から自国民に民間機での出国を呼び掛けており、航空券を購入する資金のない国民には融資を行っている。

 米国務省のネッド・プライス(Ned Price)報道官は退避勧告について「平和への悲観的な見通しではなく現実的な理由に基づくもの」だと説明した上で、米政府がアフガンで行ったような退避作戦を世界中どこでも実施できると国民が「誤解」していることに懸念を示した。

 アフガンでは8月半ば、米軍の撤退完了前にイスラム主義組織タリバン(Taliban)が首都カブールを制圧。米政府はカブールの空港に大勢の兵士を派遣し、前例のない退避作戦を展開した。

 プライス氏は12万5000人近くを退避させたアフガンでの作戦は「異例」で、他の場所で再現できないと説明。エチオピア出国を「土壇場まで待つ理由はない」と続けた。(c)AFP