【11月10日 AFP】国連(UN)は10日、エチオピアで世界食糧計画(WFP)が雇用している運転手72人が、政府により拘束されたと発表した。

 72人はいずれも、食糧不足が懸念されている北部ティグレ(Tigray)州に続く、唯一走行可能な道路沿いにある都市セメラ(Semera)で拘束された。

 国連報道官は「拘束の理由を把握するため、エチオピア政府と連絡を取っている」と明かし、「われわれは政府に対し、(運転手の)安全に加え、法的権利や人権を全面的に保護するよう働き掛けている」と述べた。

 国連は前日9日にも、首都アディスアベバで政府により現地職員22人が拘束されたと発表していた。弁護士や人権団体は、少数民族ティグレ人が標的になっていると主張している。

 首都での職員拘束について国連報道官は、米ニューヨークの本部で行った記者会見で、同日夜には6人が解放されたが、16人が依然拘束されていると話していた。

 国連関係者によると、政府はティグレ人民解放戦線(TPLF)の支持者を標的にしている。TPLFは1年以上にわたりアビー・アハメド(Abiy Ahmed)首相の政府と激しい戦闘を続けており、多数の犠牲者が出ている。

 今回拘束された運転手がどの民族に属しているかは現時点では不明だが、国連は過去に、ティグレ州に食糧などの支援物資を輸送するため、ティグレ人を雇用していた。(c)AFP