【11月14日 CGTN Japanese】中国が初めて人工繁殖に成功したクロアシドゥクラングールの赤ちゃんがこのほど、中国南部の広東省(Guangdong)広州市(Guangzhou)内にある霊長類研究センターで公開されました。

 クロアシドゥクラングールは国際自然保護連合(IUCN)によって、絶滅が最も危惧(きぐ)される霊長類の一つに指定されています。野生の個体の生息数は1000頭に満たない状態です。そして個体数を増やすためには、人工繁殖が比較的有効な手段とされています。

 今回公開されたクロアシドゥクラングールの赤ちゃんは今年7月に生まれたもので、現在はミルクから離乳食に移行する段階です。

 クロアシドゥクラングールの赤ちゃんは生存率が低く、中国国内では関連する研究や成功事例が極めて少ない状態でした。霊長類研究センターは、クロアシドゥクラングールと食習慣が近く、四川省(Sichuan)などに生息する「キンシコウ」の繁殖経験を参考にして、クロアシドゥクラングールの科学的な保育方法を模索してきました。例えばクロアシドゥクラングールの赤ちゃんの消化管内の微生物生態系の安定を守り胃や腸の疾患を防ぐために、毎回の授乳前には温水で口腔をきれいにしておきます。また、乳糖不耐症を避けるため、ミルクに乳糖分解酵素や消化酵素などを配合しています。(c)CGTN Japanese/AFPBB News