【11月12日 AFP】国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は11日、戦争や紛争、迫害などで外国に逃れた難民や庇護希望者、国内避難民が6月末時点で8400万人超となり過去最多を更新したと発表した。

 UNHCRによると、2020年末からの半年間で差し引き約200万人増えたことになる。特に国内避難民の増加が顕著だった。

 UNHCRのフィリッポ・グランディ(Filippo Grandi)高等弁務官は「国際社会は、暴力や迫害、人権侵害を防ぐことができておらず、故郷を追われる人が後を絶たない」と述べた。

 UNHCRは、家を追われた人の多くが異常気象など気候変動や新型コロナウイルス感染といったさらなる困難に直面していると警告した。

 6月末時点の難民は約2650万人。内訳はシリア人約660万人、パレスチナ人約570万人、アフガニスタン人約270万人などとなっている。

 国内避難民は昨年末の4800万人から今年6月末には5100万人に増加した。

 2021年上半期に新たに国内避難民となったのは430万人で、前年同期比50%増加した。治安が悪化しているコンゴと、ティグレ(Tigray)州で紛争が激化しているエチオピアで、それぞれ100万人以上の国内避難民が出た。

 ミャンマーやアフガニスタン、モザンビーク、南スーダンなどでも紛争や暴力の激化によって新規の国内避難民が出ている。

 一方、2021年上半期に故郷に戻ることができた国内避難民は100万人に満たなかった。(c)AFP