【11月7日 AFP】アフガニスタンを統治するイスラム主義組織タリバン(Taliban)の報道官は6日、北部マザリシャリフ(Mazar-i-Sharif)で女性4人が殺害されたと発表した。地元の情報筋によると、うち1人は人権活動家だった。

 タリバン内務省の報道官によると、4人の遺体はマザリシャリフの住宅で見つかり、容疑者2人が拘束された。

 地元の情報筋はAFPの取材に対し、被害者の一人は女性人権活動家で、大学講師のフロザン・サフィ(Frozan Safi)さんだと語った。

 情報筋によると、女性らは避難便への搭乗を誘う電話を受け、迎えの車に乗り込んだとみられる。

 匿名を条件に取材に応じた国際機関の女性職員はサフィさんについて、「市内でよく知られた存在だった」と話した。

 この女性職員も3週間前、外国へ安全に渡航できるよう手引きすると装った何者かからの電話を受けた。

 疑わしいと思った女性職員は発信者を着信拒否に設定したが、今も恐怖感にさいなまれているという。4人が殺害されたと聞いて強い衝撃を受けたと語った。

 女性職員は「すぐさま怖くなった」と話し、「最近は精神状態が不安定で、誰かが私を拉致して撃ち殺すのでは、という恐怖に常にさらされている」と不安を口にした。

 タリバンは米国の支援を受けたアフガニスタン政府との20年に及ぶ対立の末、今年8月に実権を掌握。旧タリバン政権では公の場での女性の行動が厳しく制限されたこともあり、多くの人権活動家は国外に避難した。残った女性の一部は、首都カブールで女性の権利の尊重を訴えるデモを行っているほか、女子生徒が高校に出席できるよう求める抗議活動を行っている。(c)AFP