【11月10日 AFP】フランスは9日、植民地時代の西アフリカ・ベナンから略奪した貴重な美術品26点を返還した。エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)仏大統領は、アフリカから持ち出された文化財を返還する意向を示していた。

 返還されたのは、仏軍が130年前に略奪した、ベナン南部ダホメ王国のアボメー(Abomey)の宮殿にあった玉座やトーテム像3体など。

 仏パリの大統領府で行われた返還の署名にはマクロン氏の他、ベナン側からはパトリス・タロン(Patrice Talon)大統領とジャンミシェル・アビンボラ(Jean-Michel Abimbola)文化相が立ち会った。

 タロン氏はフランス側はこれらの品を文化財と呼んでいるが、自分たちにとってはそれ以上の価値があるとし「われわれの魂だ」と述べた。

 近年アフリカでは、欧州諸国の博物館が所蔵する植民地時代の略奪品の返還を求める動きが活発化している。専門家は、これら博物館が所蔵するアフリカ関連の美術品の85~90%は略奪されたものだと推測している。

 フランスの略奪品の多くはケー・ブランリー(Quai Branly)美術館に収蔵されている。同美術館は略奪したと考えられる収蔵品を特定するための大規模調査を行っている。

 仏議会は昨年、ベナンや同じく植民地だったセネガルに美術品を返還する法案を可決した。(c)AFP/Jerome RIVET and Clare BYRNE with Josue MEHOUENOU in Cotonou