【11月8日 AFP】ラグビーオーストラリア代表として活躍したデーン・ハイレットペティ(Dane Haylett-Petty)が7日、脳振とうの影響が1年にわたって続いていることを理由に、現役引退を表明した。医師からは「自分の頭の声を聞く」ように助言を受けたという。

 32歳のハイレットペティは、2020年10月のオールブラックス(All Blacks、ニュージーランド代表の愛称)戦で頭部を打ち、「フットボーラー片頭痛」と診断された後、復帰できずにいた。

 ハイレットペティは、豪FOXスポーツ(Fox Sports)のウェブサイトで、「専門家は最初から、自分の頭の声を聞くのが一番だと言っていた」と話し、「だいぶ良くなってはいるが、今もいくつかの症状は消えていない」と明かした。

 この数日前には、元ニュージーランド代表のカール・ヘイマン(Carl Hayman)氏が41歳で若年性認知症と診断されたことを公表し、コンタクトスポーツでの脳振とうのリスクが改めて浮き彫りになっている。

 ヘイマン氏は、似た症状に苦しんでいる元イングランド代表のスティーブ・トンプソン(Steve Thompson)氏や元ウェールズ代表のアリックス・ポパム(Alix Popham)氏ら、元選手が統括団体に対して起こしている集団訴訟に加わることを決めている。

 脳振とうはスポーツ界で大きな問題になっており、イングランドのラグビーリーグ(13人制)統括団体は10月に同様の訴訟を起こされている。米国のアメリカンフットボールの団体も、負傷した選手に多額の賠償金を支払ったと報じられている。

 ワラビーズ(Wallabies、オーストラリア代表の愛称)で38キャップを刻んでいるハイレットペティは、14年の選手キャリアで頭を打ったことが6回か7回あると明かしている。このところ脳振とうのリスクが注目されていること、最近1人目の子どもが生まれたことも引退を決めた要因だという。(c)AFP