【11月5日 AFP】ドイツの裁判所は4日、実子6人のうち5人を殺害した28歳の母親に終身刑を言い渡した。検察はこの事件を、特に「悪意に満ちた」犯罪と表現していた。

 西部ブッパータール(Wuppertal)の裁判所は、被告には15年間仮釈放が認められないとしている。

 クリスティアーネ・K(Christiane K.)とのみ名前が明かされている被告は昨年9月、5人の子を浴槽で溺れさせたり、窒息させたりして殺害したとして、有罪判決を受けた。

 亡くなったのは1、2、3歳の娘3人と、6、8歳の息子2人。5人の遺体はノルトライン・ウェストファーレン(North Rhine-Westphalia)州ゾーリンゲン(Solingen)の自宅アパート内に、それぞれタオルに包まれた状態でベッドの上に横たえられていた。

 被告はデュッセルドルフ(Duesseldorf)駅で走行する電車に向かって投身自殺を図ったが救助され、命に別条はなかった。

 当時11歳だった息子は登校しており、難を逃れた。

 検察は、別居中の夫と新しい交際相手が一緒に写った写真を目にした被告が、怒りから犯行に及んだと断定。被告はオンラインのチャットで夫に、二度と子どもたちに会うことはできないと伝えていた。子どもの朝食の飲み物に眠気を催す薬を混ぜ、後に殺害に及んだという。

 被告は、覆面の男が家に押し入り、子どもたちを殺したとして、無罪を主張していた。だが捜査では、この主張を裏付ける証拠は見つからなかった。(c)AFP