【11月16日 AFP】フランスで実の娘を生後2年近く車のトランクなどに隠し続けた女の公判が今週始まり、14日に証言した親族らは被告が娘を隠していたとはまったく知らなかったと証言した。この事件はフランス中を恐怖に陥れた。

 ポルトガル出身のローザマリア・ダクルス(Rosa Maria da Cruz)被告(50)は実の娘のセレナちゃんを出産後2年近く隠し、セレナちゃんは深刻な精神疾患を発症した。被告は有罪となれば20年以下の禁錮刑が科される。

 セレナちゃんは2013年、ダクルス被告が愛車のプジョー307(Peugeot 307)を修理に出した際、不潔なトランクの中にいたところを自動車修理工によって発見された。異音を耳にした修理工がトランクを開けたところ、全裸のセレナちゃんがチャイルドシートに収まっていた。脱水状態で、うじ虫と排せつ物にまみれていたという。

 公判では親族によって驚くべき証言がなされた。ダクルス被告は他の3人の子どもの「理想の母親」にしか見えなかったというのだ。

 ダクルス被告のパートナー、ドミンゴス・サンパイオ・アルベス(Domingos Sampaio Alves)さんは、被告がもう一人産んで秘密にしていたとはまったく知らなかったと証言した。

 アルベスさんによると、セレナちゃんは大半の時間をフランス中部コレーズ(Correze)県にあるダクルス被告の自宅の使われていない部屋に閉じ込められていたという。アルベスさんはこの部屋に行くのは平均して月に1度程度で、運転免許を持っていないため被告の車にもほとんど行かなかったという。

 当初は失業中のれんが職人であるアルベスさんに嫌疑が掛けられたが、捜査の結果、その説明を疑う理由はないと判断された。