【11月4日 AFP】フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は3日、引退が決まっているドイツのアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相をワインの産地ブルゴーニュ(Bourgogne)地方ボーヌ(Beaune)に招待し別れを惜しんだ。メルケル氏には仏最高勲章が授与される予定。

 マクロン氏は、16年の在任期間中、両国関係の構築に貢献してきたメルケル氏への感謝の気持ちとしてピアノリサイタルや夕食に招待するなどしてもてなした。

 メルケル氏には夫のヨアヒム・ザウアー(Joachim Sauer)さんも同行。メルケル氏は出迎えた人々とこぶしを突き合わせるあいさつを交わした。群衆からは「アンゲラ、ブラボー!」の声も上がった。

 マクロン氏はツイッター(Twitter)にドイツ語で「フランスはあなたを愛している」と投稿した。

 メルケル氏には仏最高勲章レジオン・ドヌール(Legion d'Honneur)の1等グランクロワが授与される予定。歴代独首相ではコンラート・アデナウアー(Konrad Adenauer)、ビリ・ブラント(Willy Brandt)、ヘルムート・コール(Helmut Kohl)、ゲアハルト・シュレーダー(Gerhard Schroeder)各氏が受賞している。

 メルケル氏の在任期間中、ジャック・シラク(Jacques Chirac)、ニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)、フランソワ・オランド(Francois Hollande)各氏が仏大統領を務めた。マクロン氏で4人目となる。

 世代も政治スタイルも異なるマクロン、メルケル両氏は、ドイツの緊縮財政やフランスの防衛における米国からの戦略的自立などの問題をめぐり水面下で対立することもあった。

 だが、両氏は総体的に協力関係にあり、特に新型コロナウイルスの流行で打撃を受けた欧州連合(EU)の経済支援策では共に陣頭指揮を執った。(c)AFP