【11月4日 AFP】米国防総省は3日、中国の軍事動向に関する年次報告書を議会に提出し、中国が予測をはるかに上回るペースで核戦力を拡大し、米国との差を縮めているとの見解を示した。

 報告書によると、中国は2027年までに実戦配備可能な核弾頭を700発、2030年には1000発以上保有する可能性がある。これは同省が昨年推定していた数の2.5倍に相当する。

 報告書は、中国が陸海空の核運搬手段に投資し、その数を増やしていると指摘。「核戦力の大幅な拡大」に必要となるインフラを構築中だとしている。2大核保有国である米ロと同様に、中国は大陸間弾道ミサイル(ICBM)、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)、戦略爆撃機からなる戦略核戦力の「3本柱(トライアド)」を構築しているという。

 中国は米国を主とする敵対核保有国に対する先制核攻撃の能力は追求していないが、核報復能力を維持することによって、他国による攻撃の抑止を図っていると、報告書は指摘した。(c)AFP/Paul HANDLEY