【10月5日 AFP】台湾は、中国軍機56機が4日、台湾の防空識別圏(ADIZ)に進入したと発表し、中国政府に対し「無責任な挑発行為」をやめるよう求めた。進入機の数は先週末に続き過去最多を更新した。

 台湾国防部(国防省)は、中国の戦闘機36機、核爆弾を搭載可能なH6型爆撃機12機、その他4機が台湾南西部の防空識別圏に進入したことを受け、台湾軍機を緊急発進させて警告したと説明。夜間にはさらに戦闘機4機が防空識別圏に入り、進入機の数は計56機になったと発表した。

 台湾の対中政策をつかさどる行政院大陸委員会(MAC)の邱垂正(Chiu Chui-cheng)報道官は、「北京当局に対し、非平和的で無責任な挑発行為を直ちに中止するよう要求する」との声明を出した。

 台湾は常に中国による進攻の脅威にさらされている。台湾を自国の領土とみなす中国は、将来的な台湾統一を宣誓し、必要であれば武力行使も辞さないとしている。中国政府はこの2年間、節目となる機会に不満を表すために台湾防空識別圏への大規模な航空部隊展開を繰り返し、軍備の老朽化が進む台湾空軍部隊に圧力をかけている。

 進入機の数は、今月に入ってから延べ150機近くに上っている。中国の国慶節(建国記念日)を迎えた1日には、それまでで最多となる38機が防空識別圏に飛来。2日にはさらに39機が進入し、米政府からの批判を生んだ。(c)AFP